双眼鏡、フィールドスコープ等の性能を説明する用語の解説。
製品欄に載っている ピクト:ダハプリズムピクト:三脚取付可 といったピクトの説明もこちらに掲載しています。


プリズム形式

イタリア人ポロが発明したポロプリズム式と、屋根型プリズムを使用したダハプリズム式(ドイツ語で屋根=ダハ)があります。 ポロプリズム式はコストパフォーマンスに優れますが、やや大型となる傾向があります。 ダハプリズム式は接眼レンズから対物レンズまでの光軸を一直線に設計できることから、同口径のポロプリズム式よりも小型でスマートな双眼鏡を作ることができます。

ピクト:ポロプリズムポロプリズム
直行式プリズムを使用。重厚でワイルドなデザインを保ち、コストパフォーマンスに優れています。
ピクト:ダハプリズムダハプリズム
屋根型プリズムの使用により、鏡筒を直線状に設計することが可能に。スマートなフォルムが魅力です。
プリズム材質
BK7
一般タイプのプリズム材質です
BaK4
光学性能の優れた最高級プリズム材質。隅々までかげりのない像を得ることができます。
SK15
光学性能の極めて優れた高級プリズム材質。屈折率はBaK4よりも高く、隅々までカゲリのない鮮鋭な像を得ることができます。
コーティング

レンズやプリズムには様々なコーティング処理が施されています。このコーティングにより光の損失が抑えられ、明るい像を見ることができます。 光学性能はコーティングの種類と加工部位により異なってきます。

ピクト:対物接眼マゼンタコート対物接眼マゼンタコート
対物及び接眼レンズにマゼンタコーティングを施し、光の損失を抑え、明るい視野を実現します。
ピクト:フーリーコートフーリーコート
レンズ全面(対物レンズおよび接眼レンズ)にコーティングを施し、光の損失を高いレベルで抑えます。
ピクト:対物マルチコート対物マルチコート
対物レンズ面にマルチコーティングを施し、明るく高コントラストな視界を実現します。
ピクト:対物接眼マルチコート対物接眼マルチコート
対物および接眼レンズにマルチコーティングを施し、光の損失を抑え、明るい視野を実現します。
ピクト:マルチコートマルチコート
レンズまたはプリズムに3層以上の多層膜コーティングを施し、高コントラストを実現します。
ピクト:フーリーマルチコートフーリーマルチコート
レンズ全面(対物レンズおよび接眼)にマルチコートを施し、明るい視野と優れたコントラストを実現します。
ピクト:PFMコートPFM(パーフェクトフーリーマルチ)コート
プリズムとレンズ全面(対物レンズおよび接眼レンズ)にマルチコートが施され、極めて優れたコントラストが得られます。
ピクト:フラットマルチコートフラットマルチコート
レンズ面に7層の反射防止多層膜コーティングを施しています。マルチコーティング(3層)より光の損失が少なく、極めて明るい視野と優れたコントラストを実現します。
ピクト:フェイズコートフェイズコート
ダハ型プリズムに起こる位相差を補正する特殊コーティングで、ハレーションを防止し解像度を劇的にアップ、高コントラストを実現します。
ピクト:高反射コート高反射コート
補助プリズム一面に対し誘電体多層膜による特殊コーティングを施すことで高い反射率を得て、極めて明るく鮮明な像を実現します。
ピクト:超高反射コート超高反射コート
補助プリズム一面に誘電体多層膜による新高反射率コーディングを施しています。高反射コーティングを上回る、極めて高い反射率を実現します。
レンズ材質
ピクト:EDレンズEDレンズ
ED(超低分散)ガラスを使った特殊レンズで、色にじみを抑えた、鋭い描写性能を実現します。
レンズ形状
非球面レンズ
視野周辺に生じる歪曲収差を補正します。歪みの少ないシャープな視野が全域に広がります。

対物レンズ有効径

見る対象に最も近い側に使われるレンズが対物レンズ。その直径を有効径といいます。数値が大きいほど集光力があり、解像力の優れた双眼鏡、フィールドスコープとなります。 また有効径が大きくなるほど、ボディのサイズも大きくなります

フィールドスコープの形状
ピクト:45度傾斜型45°傾斜型
鏡筒部分に対して接眼レンズが45度傾いています。高い位置にある対象を見る際なども、のぞきやすいのが特長です。
ピクト:直視型直視型
鏡筒部分と接眼レンズを一直線上に配置した設計。目標を見つけやすく、カメラなどを取付けた際の操作性も優れています。

実視界

双眼鏡やフィールドスコープを動かさずに見られる範囲を角度で表したもの。実視界が大きいほど見える範囲が広がります。

見掛視界

双眼鏡をのぞいた際、視野がどのくらい開けているかを角度で表しています。
従来、見掛視界は「実視界×倍率」の計算式により算出されてまいりましたが、(株)ビクセンでは2009年度新規カタログ掲載製品より、JIS規格B7157:2003に基づいた計算式を採用いたします。 新しい計算式に基づく「見掛視界」の数値には、スペック表において※マークが付いています。
JIS規格 B7157:2003計算式「tan ω'=τ×tan ω(見掛視界:2ω'、実視界:2ω、倍率:τ)」

ピクト:広角広角
見掛視界*65度以上。広い視野は、サッカーやラグビーの試合、あるいは小鳥など、動きの激しい対象を追う際に威力を発揮します。
※新計算による「広角」は60°以上となります。上記「見掛視界」説明を参照ください。
ピクト:超広角超広角
見掛視界75度以上。たいへん広い視野で、星空など広がりのある対象を、その迫力のままにとらえることができます。

1000m先視界

双眼鏡やフィールドスコープを動かさずに見ることができる、1000m先の範囲をメートルで表しています。


ひとみ径

接眼レンズによってできる対物レンズの像の直径を表しています。大きいほど像は明るくなります。
ひとみ径 = 対物レンズ有効径÷倍率


明るさ

ひとみ径を2乗した数値を「明るさ」として表しています。数値が大きいほど像は明るくなります。


アイレリーフ

双眼鏡をのぞいたときに、全視野を見ることのできる目の位置と接眼レンズ面との距離を表しています。アイレリーフが長いほど、目に負担をかけません。


ピクト:ハイアイポイントハイアイポイント
アイレリーフ15mm以上。長時間観察でも目が疲れにくく、メガネをかけたままでも広い視野を見ることができます。
至近距離

ピントが合う範囲での、双眼鏡やフィールドスコープ見る対象との最短距離を表しています(個人によって若干の差異があります)。

倍率
ピクト:ズームズームタイプ
見る対象にあわせて倍率を変えることができます。高倍率側では対象が大きく見えますが、視野はやや暗くなります。
特殊加工
ピクト:防水防水
雨や雪などに濡れても鏡筒内に水が入らない設計です。天候が変わりやすいアウトドア用として適しています。
三脚の取付け

長時間にわたる観察や倍率の高い双眼鏡を使うときには、三脚に固定してご使用いただく方が、安定した視界を確保できます。


ピクト:三脚取付可 三脚取付可
双眼鏡を三脚に固定することができます。長時間にわたる観察や倍率の高い双眼鏡を扱う際に便利です。
ピクト:三脚取付可(MH) 三脚取付可(MH)
別売の「ビノホルダーMH」を併用することにより双眼鏡を三脚に固定できます。安定した観察を実現します。
ピクト:三脚取付可(H)(MH) 三脚取付可(H)(MH)
別売の「ビノホルダーH」または「ビノホルダーMH」を併用することにより双眼鏡を三脚に固定できます。安定した観察を実現します。
ピクト:三脚取付可(V) 三脚取付可(V)
付属の「ビノホルダーV」を併用することにより双眼鏡を三脚に固定できます。長時間にわたる観察時にお勧めです。
ピクト:三脚取付可(S) 三脚取付可(S)
キャリングビノホルダーSを併用することによりケースに取付けたまま三脚に取付できるようになります。
ピクト:三脚取付可(M) 三脚取付可(M)
キャリングビノホルダーMを併用することによりケースに取付けたまま三脚に取付できるようになります。
ピクト:三脚取付可(L) 三脚取付可(L)
キャリングビノホルダーLを併用することによりケースに取付けたまま三脚に取付できるようになります。
メーカー保証
ピクト:5年間保証5年間保証
取扱説明書における正しい使い方でお買い上げの日から5年以内に故障等が起きた場合には無償にて修理いたします。
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選ぶときのポイント

写真:肉眼で見たときのイメージ

肉眼で見たときのイメージ
カモの姿はこんなに小さくしか見えませんが…


写真:8倍の双眼鏡でのぞいたイメージ

8倍の双眼鏡でのぞくと…


写真:20倍の双眼鏡でのぞいたときのイメージ

さらに、20倍でのぞくと…

倍率

双眼鏡を選ぶ上での一番のポイントはやはり倍率です。しかし倍率が高ければ良いというものでもありません。 手持ちで見るのであれば10倍程度までが見やすく、それ以上の倍率では手ブレによって段々見づらくなります。また倍率が高くなるほど像は暗くなり、視界も狭くなります。
フィールドスコープは接眼レンズを替えることにより、倍率が変化します。
見る対象によって倍率を変えられるズームタイプなどもあります。この場合、高倍率側では対象が大きく見えますが、視野はやや暗くなります。
例えば… <シチュエーション別 おすすめの倍率>

野山や高原で動きのすばやい小鳥を観察するなら
6~10倍
干潟や磯などで水鳥を観察するなら
10~30倍
三脚に固定してじっくりと観察できます。
高原へのトレッキングや登山に持っていくなら
6~10倍
車で出かけるキャンプなどに
7~10倍
自然観察から星空までカバーできます。
サッカーやラグビー、スキー競技など
8~12倍
広い屋外の競技場ではこの程度が最適です。
バスケットやバレーボールなど
6~8倍
手ブレしにくい倍率です。
双眼鏡を手で持って気軽に星空を眺めてみたい
7~10倍
星雲、星団や月のクレーターが見える倍率でなおかつ手ブレがしにくい倍率です。
天体観測には
10~30倍
三脚でしっかりと固定して。フィールドスコープでもOKです。
ドームなど広い会場でのコンサートには
8~12倍
オペラや観劇には
6~8倍
暗い舞台を見るときには、明るさの数値が高いものを。

対物レンズ有効径

大きいほど集光力があるので、シャープな像を見ることができます。しかし有効径が大きくなるほどボディ全体のサイズも大きくなり、携帯が困難になってきます。


実視界

バードウォッチングやスポーツ観戦など、動きのすばやい対象を追うには、実視界の広いものを選びましょう。


写真:ポップアップタイプのアイレリーフ

裸眼でのぞく場合は、このように見口部分を伸ばすと見やすくなります
(写真はアペックスプロシリーズのポップアップ式見口)。
メガネをかけている場合は、見口部分を伸ばさずにのぞきます

アイレリーフ

アイレリーフの長いものほどのぞきやすく、長時間の観察でも目が疲れにくくなります。ハイアイポイント設計であれば、メガネをかけたままのぞいても十分な視野を得ることができます。


サイズ

携帯方法や観察場所などを考慮して、目的、観察スタイルに合ったものを選びましょう。


固定倍率とズームタイプ

双眼鏡やフィールドスコープの接眼レンズには、15倍、20倍といった固定の倍率のものと、8~32倍といった変倍がレバーなどの操作でできるズームタイプがあります。 見る対象に合わせて倍率を変えられるズームタイプは、幅広い用途に使うことができます。一方、高倍率側では、固定倍率タイプと比べて視野が狭く、暗くなるというデメリットがあります。


写真:防水仕様イメージ
防水

雨や雪に濡れる心配のある場合や、海辺などで使用するのであれば、防水タイプの双眼鏡、フィールドスコープを選びましょう。